小説は、横山秀夫氏によるF県警捜査一課を舞台とした6編の短編が連なったミステリー。
著者の横山秀夫氏は、映画にもなった「半落ち」やテレビドラマになった「顔 FACE」の原作者。っということを、読み始めてから知りました(^^;
この「第三の時効」の舞台となるF県警捜査一課の強行係という殺人事件を取り扱う、いわゆる花形部署。歴代の刑事もの小説で使い古された舞台です(^^;
しかし、ここには取調べでカツ丼を食べさせる人情派の刑事も、犯人に撃たれて"何じゃこりゃ〜"って叫ぶ刑事も登場しません。そもそも銃撃戦なんて描かれてませんし…
ただ、1班を率いる決して笑わない"青鬼"朽木班長、2班の公安上がりの"冷血"楠見班長、3班を束ねる動物的勘を持った"天才"村瀬班長の3人三班がただただ犯人を挙げるためだけに競い合っている殺伐とした情景が事件を通してありありと描かれています。
ただ、これが面白い。
アリバイ、息詰まる心理戦、密室トリック、食い違う証言、強行捜査など刑事もので見慣れた設定でありながら、登場するアクの強い面々と最後のどんでん返しで、どの作品もダレることなく読めました。これこそ正統派の刑事ものミステリーです!
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